今回の震災で、ITコーディネータとしてできることにはどんなことがあるのだろうと考えてみる。
被災で会社が無くなった、取引先の会社が被災してビジネスができなくなった。従業員を雇用できなくなったなど、様々な問題が発生している。
例えば

  • 土地が崩れそうで隣家に迷惑をかけそうだがどうしたらよいか
  • 店が壊れて使用できないが賃料を支払う必要があるか
  • 仕事ができないので従業員には休んでもらっているが給料を支払う必要があるか

こういった問題に関しては、弁護士や行政書士、社労士などに相談することの方が多い。では、ITコーディネータは、こういうとき役に立たないのだろうか?自己否定のようなことをしていても仕方が無いので、もう少し考えてみる。

まず、こういうときに大切になるのは、状況を客観的にかつ冷静に見ることである。確かに、被害規模が大きい被災者にとって、当面の心配は生活の場所が無い、お金が無い、仕事が無いといったことである。しかし、被害規模は一様ではない。大変な被害を受けた方もいれば、自分は比較的被害が少なかったという人もいる。そこを整理することが重要。自ら物理的な被害が大きかった被災者に対しては、残念ながら、ITコーディネータとしてしてあげられることは少ないかもしれない(もちろん、それは被災者の意識に拠るけれども)。一方、自らの被害はそれ程大きくは無いが、取引相手が被災することによって、ビジネスの規模、売り上げが大きく下がってしまったという場合は、ITコーディネータとして支援できる可能性はある。ビジネスモデルの見直しやITを使っての販路拡大などは、当然、支援できる範囲であると思う。
また、今回の震災で交通機関がマヒしたり、計画停電の問題が出てきているが、BCPの観点から、在宅勤務や事務所の分散化、人の物理的移動を伴わない打ち合わせ(ビデオチャットなど)も考えられるだろうし、その際のセキュリティ問題などももちろん考えなければならないところになる。ここにもITコーディネータの支援できる分野はあるだろう。

また、被災者を別の切り口で見てみると、被害の大小だけではなく、今後の対応ということも考えていかなければならない。被害を受け、簡単にその土地を離れられる場合と離れられない場合がある。その土地に根ざし、生活をしてきた人たち、漁業や農業に携わってきた人たち、土地に愛着を持っていて離れられない人たちなどがいる。その一方で、被害を受けた土地を離れることに問題が無い人たちもいる。
そのような見方で、被害の大小と土地への愛着をそれぞれの軸として考えた場合、ITコーディネータとして最も支援しやすく、かつ効果があるのは、自分の被害は比較的小さかったが、周りが被災して生活が厳しくなっている人たち、でも土地を離れられない、離れたくないという人たちなのかなという気がする。

「こんな被害状況ではITコーディネータの出る幕は無い」などと短絡的に諦めてしまうのではなく、広い視点から、自分たちの出来ることはないかどうか、また、出来ることがあれば、立場にとらわれず(官僚的にw)、支援をしていきたいものだと思う。