6月15日。1ドルは102.6円となっています。

 これまで長い期間、円高が続き、苦しい経営となっていた日本の輸出産業が活気づいてきています。
 一方で、輸入は円安によって打撃を受けるというのも、また事実です。
 特に原発が止まって以来、火力発電に頼らざるを得ないエネルギー業界なども、原油価格の上昇によって、発電のコストがますます上がっていくことでしょう。円ドル相場
 上のグラフは、ここ2年間の円-ドル相場の推移です。
 昨年の前半には70円台だった円が衆院解散が決まって以来(政権交代がほぼ決まって以来)、急激に円安が進んでいるのが分かると思います。
 国会では、野党が与党に対して「円安が進むことによって、庶民の生活が苦しくなっている」というようなことを訴えていますが、最初に書いたように、円高になろうと、円安になろうと、それによって利益を受ける人たちと、打撃を受ける人たちの両方が必ず出てきます。単純に1ドルが何円になったとかいう、絶対額に対してよりも、急激な為替相場の変動(特に想定を超える変動)の方が、企業にとって脅威ということができるでしょう。
 特に、今回のように急激に円安が進むと、例えば、原材料を輸入に頼っていたような中小企業などは大変な状況になっていると思います。原材料費の変動をそのまま顧客の負担として転嫁できるわけではありませんから。
 しかし、考えようによっては、このような急激な環境変化というのは、生き残るためのチャンスなのかもしれません。
 我々がよく聞く喩え話として「茹で蛙」の話があります。
 徐々に水温が上がっていく水に蛙を入れと、蛙は水温の上昇を感じることができずに死んでしまうという話です。
 今回のような急激な為替変動は、良くも悪くも、何かを感じさせるキッカケにはなったはずです。
 故・松下幸之助氏は
「原価が一割下がらんのやったら、三割下げることを考えたらどうや」
と言ったそうです。
 小さな変化では、現在の延長線上の改善から思考が抜けだせませんが、大きな変化に対応しなければならない場合、あるいは大きな変化を起こさなければならないときは、今までの延長ではなく、改革(イノベーション)を起こす必要が出てきます。
 もちろん、変化がゆっくりである方が、色々なことに対応する準備ができるというのも事実ですが、「茹で蛙」の喩えのように、「まだ大丈夫」と思っているうちに手遅れになってしまう危険性もあります。
 これからしばらくは、いろいろな分野で大きな変化が予想されます。
 その変化に対応出来るだけの、心の柔軟性を忘れないようにしていきたいものです。