前回まで、「顧客ソリューション利益モデル」と「製品ピラミッド利益モデル」について説明を書いてみました。
 図を見るとよく分かるのですが、「顧客ソリューション利益モデル」では、ビジネスを開始した直後の赤字期間と、その後の黒字期間との組み合わせになっていますし、「製品ピラミッド利益モデル」の方は、薄利で他社の参入障壁になる製品群と高利益を見込める製品群との組み合わせになっています。

 TRIZには「40の発明原理」と呼ばれる問題解決のためのツールが用意されているのですが、その中に「組み合わせ原理」というものがあります。名前のとおり、それ単独では弱点があるものや足りない部分があるものを補うために何かを組み合わせる解決方法です。

 上記の「顧客ソリューション利益モデル」も、「赤字になるが顧客のことを知ることができる時期」と「黒字になるが顧客に関する知見を新たに得られない時期」との組み合わせですし、と「製品ピラミッド利益モデル」の方は、上にも書いたように「利益を得られない製品」のデメリットを「高利益の製品」で補う組み合わせになっています。

 話をTRIZに戻すと、TRIZでは、「高いけど安い」とか「長いけれども短い」というように、物理的に矛盾を引き起こす場合は「分離」して考えろということを言っています。
分離の仕方は

  • 時間的分離
  • 空間的分離
  • 条件による分離
  • 上位システムあるいは下位システムへの移行

の4つが提示されています。

 ここで重要な事は、より広い視点に立って考えると、問題の解決策が浮かび上がってくるということです。
例えば、「顧客ソリューション利益モデル」の場合、初期の赤字期間にだけ着目するとビジネスとして成り立ちませんが、より長い期間に視点を移すと、利益を生むビジネスモデルになりますし、「製品ピラミッド利益モデル」の方も、薄利の製品だけに着目すると問題がありますが、製品群全体で考えると、利益を生み出すモデルを形成していることがわかります。

 事業戦略を策定する場合も同様に、狭い視野にとらわれるのではなく、時々、広い視点で考えなおしてみることも重要です。