ITCプロセスガイドライン Ver.3.1からVer.4.0への変更点
このページは、ITコーディネータ協会の公開資料をもとに、IT経営推進プロセスガイドライン Ver.3.1 から ITコーディネータプロセスガイドライン Ver.4.0 に変わったときの主な変更点を整理したものです。
変更の方向性
大きな変化は、Ver.3.1 が IT経営推進 を中心にしていたのに対し、Ver.4.0 では デジタル経営の推進 を中心に据えたことです。
単なるIT導入の進め方ではなく、
- データ駆動型のデジタル社会への対応
- DX的なアプローチ
- 顧客価値の創造と実現
- 継続的な学習と成長
を前提に、全体を再構成しています。
主な変更点
1. 「領域」中心から「サイクル」中心へ
Ver.3.1 では、
- IT経営認識領域
- IT経営実現領域
- IT経営共通領域
という見せ方が中心でした。
Ver.4.0 では、
- デジタル経営成長サイクル(C1)
- 価値実現サイクル(C2)
- デジタル経営共通基盤(CB)
という構造に変わりました。
これは、計画して一度実行して終わりではなく、反復しながら成長する ことを重視した変更です。
2. SPDLI の考え方をサイクル型に再構成
Ver.3.1 では SPDLI
- Strategy
- Plan
- Do
- Learning
- Innovation
の観点が重要でした。
Ver.4.0 では、この考え方を捨てたのではなく、2つのサイクルと共通基盤の中に取り込んで再構成 しています。
3. 業務とITを分けず、一体で考える構成へ
改訂資料では、Ver.3.1 では 業務改革とIT戦略を別々に考えていた のに対し、Ver.4.0 では 業務とITを同じプロセスの中で一体で考える と説明されています。
背景には、変化の速い環境に対応するため、ビジネス部門、開発部門、運用部門の連携を強める必要があることがあります。
4. 「ITサービス実現」から「価値実現」へ
Ver.4.0 では 顧客価値の創出と実現 が前面に出ています。
特に、価値実現サイクルに 提供価値検証プロセス(P6) が追加されました。 これにより、
- 開発した
- 運用した
で終わらず、
- 実際に価値が出たか
- 顧客の課題解決につながったか
- 次の改善にどう返すか
までをプロセスとして扱うようになっています。
5. 共通領域が「共通基盤」へ変わった
Ver.3.1 の IT経営共通領域は、
- プロジェクトマネジメント
- モニタリング&コントロール
- コミュニケーション
が中心でした。
Ver.4.0 では、これが デジタル経営共通基盤(CB) に再編され、
- サイクルマネジメント
- コミュニケーション
- モニタリング&コントロール
- セキュリティ
- 組織学習
の5つになりました。
6. セキュリティと組織学習が明示的に追加
Ver.4.0 では、セキュリティ と 組織学習 が新規要素として強く打ち出されています。
改訂資料では、どちらも後回しにできない経営課題であり、変革を支える重要な活動として説明されています。
7. 登場人物の役割がより明確になった
Ver.4.0 では、役割が次の5つに整理されました。
- 経営者
- デジタル経営推進者
- 開発リーダー
- 運用リーダー
- デジタル経営支援者
特に、デジタル経営推進者 を実質的な牽引役として強調している点が特徴です。
8. 基本原則が 51 から 10 に整理された
Ver.3.1 の基本原則は数が多く、参照時にやや扱いづらい面がありました。 Ver.4.0 では、これを 10の基本原則 に再編しています。
例:
- 顧客価値を問い続ける
- データとITを常に念頭に
- 自前主義から共創へ
- 人中心の持続的な成長へ
- データ重視の意思決定へ
読み分け
Ver.3.1 は、従来型の IT経営推進の考え方を理解するうえで今でも参考になります。 一方、現行の実務や試験、DX・デジタル経営の文脈では Ver.4.0 が基準です。
そのため、この用語集では
- ITCプロセスガイドライン を Ver.3.1 の参考整理
- ITCプロセスガイドライン Ver.4.0 を現行版の整理
- このページを差分整理
として読むと分かりやすいです。
参考: