「やる気」の無い経営者にコンサルティングをすることはすごく難しい。

そんな経営者がコンサルを頼むことは無いかもしれないが、実はこれ、経営コンサルだけではなくて、組織運営その他、さまざまなことに関わってくる。

やる気がないのに、支援を頼んだり相談したりするっていうのは、どういうことかというと、要するに「結果」は欲しいわけです。その結果が明確であれば、まずは第一段階としてはOKです。
人でも組織でも、何かに向かって行動する場合、大きく3つの要素があると思います。
(1)何をしたら良いのかわかっていること
(2)どうやったら良いのかわかっていること
(3)行動に対するメリットがデメリットを上回っていること
です。
先程書いたように、コンサルティングの依頼者が何を求めているのか明確になっている場合、(1)はクリアしていますよね。もちろん、それが具体的だったり、抽象的だったりという違いはありますが。
例えば「年間売上を10億円にしたい」みたいな結果を求めている場合、個人の場合は、思いがそのまま目標になるでしょうし、組織としては、それを組織内で共有する必要が出てきます。これが組織のミッションとかビジョンになってくるので、それが共有できていないと、組織の構成員がバラバラな動きになってしまうので、なかなか動かない組織になってしまいます。
というわけで、(1)の要素は、コンサルタントもお手伝いはしますが、基本的には経営者や個人の問題。言いかえると、お手伝いといっても、「モヤモヤしているものを具体化するお手伝い」だったり「意識していない思いを引き出すお手伝い」だったりするのかなと思います。コーチングとかの方が近いかもしれません。
次に(2)ですが、多分、コンサルタントの大きな仕事というのはこの部分。
「やりたいことはわかっているんだけど、どうやったら良いのかわからない」
というときに、コンサルタントがいろいろなノウハウやツール、スキルで、どうやったら良いのかということを明確にし、行動につなげやすいようにする。あるいは、活動・行動に問題があったら是正していくということが求められるのかなと思っています。
だからこそ、特定の業種や業務の経験が豊富なコンサルタントは(わかりやすいという意味で)重宝されますし、求められることも多くなります。
もちろん、業種・業務に特化しないコンサルティング(ITや人事、経営戦略など)も多くあります。
ところが、タイトルに書いたような「やる気」の無い経営者の場合、ここで頓挫することが結構見られます。
「結果は欲しい」でも「その対価は支払いたくない」
ということです。
ここで言っている「対価」というのは、単純にお金のことではなく、結果を得るためにつぎ込む努力や時間も含んでのことです。
もちろん、これは、支援するコンサルタントにも問題があると思います。
どのようにやったら良いかということを伝えなければならないのに、相手のことも考えずに、理想論だけを語っても仕方なくて、相手の現在置かれている状況や制約その他を見据えた上でのアドバイスが必要な時に、机上の空論を語っても動けませんからね。
一方で、支援依頼する側(経営者など)も、「今までやっていなかったから」とか「自分たちには無理」などと、思考停止するのではなく、「やるにはどうしたら良いのか?」ということを真剣に考えてほしいなぁと思います(繰り返しになりますが、それを伝えていくのがコンサルタントの仕事なのですが…(笑))。

ちょっと変な例えですが、私が一万円札を見せて「この一万円札と、あなたの百円玉を取り換えましょう」と言ったら、多分、多くの人は取り替えますよね?
それは、自分の行動がもたらすメリットが明確だから。そして、それを私がきちんと見せているから。

話を戻すと、コンサルタントは、いろいろな提案をします。でも、それを実行に移すのは、当事者でしかないので、ここで「やる気」が問われます。
実際に、動き始めるとき、あるいは動きを止めるときには、大きなエネルギーが必要です。今までの状態を続けている方が楽なのです。
もちろん、経営者としてはコストを最小化して、利益を最大限に上げていくことが必要ですが、長い目、広い目で見た時に、今、何をしなければならないかということを考えていかなければなりません。

最後に(3)ですが、当然、メリットがデメリットを上回っていなければ、人は動きません。
これは、企業では、やっぱり経営者の判断になります。
(もちろん、コンサルタントもアドバイスはしますが…)
特に従業員の場合、所属している企業で働いているメリットが自分の仕事内容を上回っているかどうかによって、モチベーションも全然変わって来るでしょう。
給与だけではなく、経験やスキルアップを求めている人もいるでしょうし、仕事そのものの働き甲斐ということも関係してくるかもしれません。
(会社の立場から見れば、払っている給与以上に会社に利益をもたらしてくれということになるのでしょうが、結局、全体を見れば等価になっていないと、どこかで歪みが出てくるのがわかると思います)

まあ、何を書きたかったかというと、きちんと企業の活動をしていくには、上に書いたような(1)~(3)を推進していかなければならないのですが、依頼者側のやる気によって、コンサルタントの力がどこまで活かせるかどうかが変わってきますので、丸投げではなく、良い協力関係でコンサルタントを使った方がお得ですよという自分的メモでした。