先日、Kindle PaperWhiteを入手したので、試しに「戦略参謀」という電子書籍を購入してみました。
これは、稲田将人さんという元マッキンゼーのコンサルタントをしていた人が書いた企業変革をテーマにした小説です。
舞台は紳士服チェーンで、そこに勤務する営業マン、彼の上司、そして専務や社長といった経営層などが、それぞれの立場から会社を良くしよう、あるいは自分の立場を守ろうとしながらストーリーが進んでいきます。
会社に属している人であれば、自分の会社を良くしていきたいと思うのが当然のような気もしますが、一方で、自分自身のことだけを考えたり、自分の損得勘定だけを考えて動くような人たちがいるというのも事実です。
この小説では、そんな実社会で起きているような様々な問題をストーリーの中に盛り込み、読者の周りでそのようなことが起きた時に、どのような対処を取れば良いのかというヒントを与えてくれています。
実際には、小説のようにすんなりうまく行くわけではありませんが、それでも、会社の中でどのようなことが起こり得るかということについて、イメージができるだけでも違いますよね。
私は、ITコーディネータという資格を得るための研修そのものを実施するインストラクタもやっています。
ITコーディネータという資格は、資格試験に合格するのに加えて、仮想的な企業を想定し、その企業の経営戦略を作ったり、情報化の企画をしたりというケース研修を受講する必要があります。ケース研修は、もちろん実際の企業とは違いますが、コンサルティングの流れを一度経験することによって、次の一手を想定しやすくなります。
ビジネス小説としては読み易い方だと思います。
経営者の方は、一度読んでみて、自社の改善・改革を進めるためにどのような人材を使い、どういった抵抗が起こり得るのかということについて考えてみるのも良いかもしれませんね。