「顧客ソリューション利益モデル」についての説明です。

ザ・プロフィット」の中では、以下の様な図で説明されています。
顧客ソリューション利益モデル  縦軸は利益、横軸は時間を表し、左側に0が書かれているラインが利益0を表しています。
このモデルは、簡単に言うと、
「初期のの段階で顧客についての情報を知り、そこで得られた知識を、顧客個別のソリューション開発に活かす。その際、短期的な損失には目を瞑り、長期的な利益を考える」
というものです。
これは、ITベンターには良く見られる利益モデルです。
顧客の抱えている問題に対して、その解決策を提案・提供し、顧客がその製品やサービスを認識した後は、初期にかかったコストもかからなくなり、長期的に利益を得られるということです。

もちろん、顧客のことをよく知り、ソリューションを提供するというのは、ITベンダーに限らず、様々な業種に適用できるモデルです。

では、この利益モデルが適用しにくいのは、どのような分野か考えてみましょう。

例えば、顧客との関係を長期的に築く必要がないような場合や、顧客が個別のソリューションを必要としていないような場合が考えられます。
また、実際に商品やサービスを提供する側から見ると、初期段階では赤字が膨らんでいくことになりますので、ある程度の期間は経営が回るように財務基盤もしっかりしておく必要があるかもしれません。利益が得られるようになるまでの期間に依存しますが、お金があまりない中小・零細企業だと一工夫が必要になるかもしれませんね。

ただ、顧客のことを知り、顧客に対してソリューションを提供するというのは、商売をする上で基本的な考え方であるとは言えると思います。
ちなみに、少なくない企業で「ソリューション」というと、その企業で持っている独自のパッケージ商品やサービスを指していることもあったりしますが、ここで言っているソリューションは、あくまでも顧客固有に用意されたソリューションであることを付け加えておきます。

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか

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