久々のブログ。

昨年、今年と、世の中で色々な動きが加速しています。
コロナ禍の中、今の日本の社会におけるIT利活用の遅れが浮き彫りになりました。

感染症が蔓延する以前から、世界最先端IT国家創造宣言など、課題について認識はされていたものの、実際には、目指すべき姿への変化は遅々として進まず、現状の混乱を招いてしまっているわけですが、日本という国(あるいは日本人)は、黒船のような外的圧力がなければ、なかなか動けない国なのかもしれません。

言い換えると、変化しなくても生活はできていた恵まれた時代が続いていたとも言えるわけですが、よく言われる「茹でガエル」のようになっていなければ…とは思います。

そのような中、今度は世の中では「DX」という言葉がよく聞かれるようになっています。
よく聞かれるようになったということは、正確な意味がよくわからないまま使われる機会も多くなっているということでもあり、今までのIT化、ICT化と同様に、コンピュータなどのIT機器を使って業務を効率化するというような感じで使われることも多いように見受けられます。

一応、経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」の中では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)について

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、 顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

と書かれています。

私も、仕事の中でDXついて話をすることがありますが、そのときは

単なるデジタル化(Digitization/Digitalization)とは異なり、業務や組織、社会に変革をもたらすのがDX

と説明させてもらっています。
また、

DXで重要なのはD(デジタル)ではなくX(変化)

ということも付け加えています。

以下は、もう10年以上前に書いた「ITは単なる道具か?」というブログ記事からの抜粋です。
https://www.office-nbi.com/2008/06/21/it%e3%81%af%e5%8d%98%e3%81%aa%e3%82%8b%e9%81%93%e5%85%b7%e3%81%8b%ef%bc%9f/

近年における所謂 “IT” というのは、人によってイメージするものは違うと思いますが、コンピュータとかソフトウェアといった、単独で存在するものではなく、言うなれば、「活字」とか「言語」とか、そういった社会における文化そのものに対する影響を及ぼすだけの力を持ったものだと思います。

会社のブログは、個人ブログからの転記なので、2008年になっていますが、実はこの記事は、私がまだ会社勤めだった2005年に書いたものです。

お時間があれば、全文を読んでみていただきたいのですが、ここで書いてあることは、今、まさに社会で進められようとしているDXと同じことを意識して書いていて、単なる道具としてデジタル機器を使うのではなく、どう社会的変革を起こして行ったら良いのかということについて書こうとしています。

別に時代を10年以上先取りしていたということではなく、私がやっている「ITコーディネータ」という仕事では、まさにこのような仕事を資格制度ができたときからやっていたわけで、資格ができてから20年程経過して、少しずつではありますが、社会との乖離が無くなりつつあるのかな…という感じがしています。(遅すぎるという気もしますが、それは我々ITコーディネータとしての反省点…)

経済産業省では、デジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)というものも出しています。
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003.html

ここで書かれているような、ビジョンや経営トップのコミットメント、マインドセット、そして経営戦略とITシステムとの関係などは、ITコーディネータのプロセスガイドラインで、ずっと語ってきたことであり、これから先もITコーディネータの活躍の場は増えていくだろうと思っています。

結局、ここまで来るのに20年もかかってしまったのは、個々のITコーディネータが、本当の意味ではその使命やプロセスガイドラインの意味していることを理解していなかったということもあるでしょうし、ITコーディネータ自身のプレゼンスの弱さということもあり、提案が真剣に聞き入れてもらえなかったということもあるかもしれません。資格を取りたいだけという人も多いでしょうし。
ここは「20年も経って…」と愚痴を言っても始まらないので、個々のITコーディネータが、それぞれの役割を果たしつつ、資格の存在価値を上げていくしかない。

「ITコーディネータ」は、あまり役に立たない資格と揶揄されることもありますが、自分は全くそんなことは思っていなくて(実際、それで仕事をしていますし)、これからの時代、ますます必要とされる資格だと思っています。

あとは、資格者どうしで相乗効果をもたらすために、組織を何とか活性化したいなぁ…。

DX

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