たまに原点に還って、「コンサルタントの仕事って一体何なのか?」ということについて考えてみる。
辞書的に考えてみると、クライアントの抱えている問題に対して、相談に応じたり、助言したりする仕事と言える。
では、助言ということを考えたとき、具体的にどんな知識やスキルが必要なのか?
…と、先に書いてしまった気もするが、まず第1にクライアントから求められるのは、クライアント自身が知らない知識について助言できること。
そのため、コンサルタントは常に色々な知識を仕入れることになる。
当然、時間を含め、さまざまなコストがかかるので、クライアントにとっては、その知識・情報を自分で仕入れるために必要と思われるコストよりもコンサルタントに支払うコストの方が安いと判断できれば、コンサルタントを頼むという判断になるだろう。
ところが、特に日本の場合は多いような気がするが、知識や情報の提供のような無形のものにお金を支払うという文化が根付いていないと、そのあたりがなかなか難しいこともある。
真偽は不明だが、ピカソが30秒程で描いた絵に対して「100万ドル」と言った話は有名(https://tabi-labo.com/181228/picasso-price)
さて、クライアントが持っていない知識や情報について提供するというのは、コンサルタントとしてのひとつの解であり、ある意味、最低限の仕事であると言えるのだが、自分としては、もう一つ、重要な仕事があると考えている。
それは、クライアントとは違う視点で事象を見て、助言をすること。
そのためには、先に書いた、顧客が持っていない知識や情報を持って、物事を見るということも必要になるだろう。
一方、人間というのは、特に当事者になると、どうしても視野が狭くなったり、自分の都合の良いように物事を見てしまう。そういう時に、別の視点から物事を見ることは非常に重要であり、クライアントが気づかなかったリスクやメリット・デメリットについて助言することは、目の前にある課題の解決だけではなく、場合によっては、イノベーションにもつながってくる。
クライアントと違う視点で物事を見るということは、知識が役に立つこともあれば、逆にその知識(業界の常識など)に囚われすぎてしまうと、逆に、自由なものの見方ができなくなってしまう可能性もある。
そう考えてみると「自分は経験が足りないから…」と、自信が持てない、駆け出しのコンサルタントも(もちろん、日々の自己研鑽は重要だが)、経験の足りなさが逆に自分の強みと考えることができるかもしれない。
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